遺書、もしくは 足あと。

カノウイノリの独白です。重たい感じですみません。

「本意」と「品位」が漏れ出ずる書面。

紙広告を扱っていた経験が長いもので、世の中のあらゆる書面・文面を「広告的に読む」クセがついている。

 

「広告的に」とはいえ、セールスライティングの出来を測っているわけではなく、どちらかというと、ブランド広告っぽい読み方である。

その発信者の「人となり」を推し量る材料として読む、という意味だ。

 

実はこのクセ、仕事でもしばしば役に立つ。その読み取り精度において「占い師みたい」らしい。

そのメカニズムを単純化できればそれが商売になりそうなもんだが、今のところ、このスキルの価値は「精度」にあるらしいので、「ざっくりまとめ」には食指も動かない。

第一、そこまで「一発欲」がない。

 

そして今回の題材は、とある(たぶん)法的拘束力のある書面である。

 

中身の精査は専門家の判断を仰いでみたりするのだが、これがなかなかめんどくさい。

これはこれでまた別記事にするとして、本題へ。

 

だいたいコンプライアンス系の書面なんて、どこぞの雛形を参照して適宜アレンジ、が大半だろうに、そのアレンジの「味つけ」に恐ろしく個性が表れるもんなのね、が、今回の気づきである。

 

今回、当の書面を見た第一印象が「まぁなんと自己防衛的な…」というもので。次に感じたのは「何というか、品のない…」と。

職務経験上、作成まではしないけれど、同趣旨の書面の取り交わしには幾度となく関わったことがあるので、正直、“こんなの初めて見た”級である。ときめき要素は皆無だが。

 

そして「広告的読み解き」にかけると、まぁこれが本当に発行元の「体質」をキレイに表しているんだな。

 

自分がこれを交付するとなったら一介の担当者としても恥ずかしい、みたいなモノを、何の注釈もなくピュルーン、とメールで飛ばしてくる行動まで、完璧な表現徹底である。

 

しかし、多少の羞恥心でもあればこうはならないわけで、まぁ大抵は無意識レベルなのだ。

何なら「善意を装うウィルス付きメールを、自分の連絡先全部をToにぶち込んで転送する」かの如く、ちゃんと義務を果たしているとすら思っていてもおかしくない。

 

いや、物騒なもん拡散してるから。

みたいな。

 

対岸の火事なら笑い話なのだが、またこれも相当な精度でガチ利害に関わるのでスルーもできない。

 

まあ、シャレはせめて通るところで飛ばしてほしい、とは思うが、当人至って真面目なだけに、その感覚の隔たりたるや、同じ国で同じ言語を話しているとは思っちゃイカン、という学びを強化して余りある。

 

とりあえず自戒を込めたメモライズと、ウイルス駆除、とまではいかないまでも、具体的な被害阻止に動くしかなし、という現状かなぁ、と。

 

まったく、無意識の「うっかりお漏らし」恐るべし、である。

くわばら、くわばら。